昨日は非常に残念なニュースが日経新聞に載ってしまいました。
SONY(ソニー)はスマホ事業のメイン工場である北京工場の生産終了という内容です。
簡単に記事をかいつまむと以下5点となります。
- 3月末に中国(北京)のスマートフォン(スマホ)工場の生産を終了する
- 生産台数などは明らかにしていない
- スマホ事業は同業との競争激化で販売台数の減少で赤字に陥っている
- スマホの生産拠点をタイの1カ所に集中してコストを削減し、同事業の収益改善を図る
- 北京工場の従業員数は非公開だが1千人規模とみられる
もともとソニーは2018年5月に発表した経営戦略資料によると2018年度も2017年度同様赤字見込みであることを重く受け止めておりました。
オペレーション改革をしていたので、決算前に整理をしたかったのではないかと思います。
中国国内の人件費の上昇で製造コストが負担になっていたため、販売不振、赤字体質を変えるための最後の手段なのではないでしょうか。
北京工場はMobileの生産台数の7割の数字を持っていたことから大幅な削減になるのではと考えています。
私はソニーが日本で唯一のコンシューマ向けのメーカーと考えています。
スマホ、タブレット、イヤホン、TV、ミラーレス全てSONYを使っています!!
それほどソニーラブなんですが、この内容はいつしかのVAIO(PC)を連想する動きに思います。
ソニーさんは、なんとかこの不採算事業を改善するために最後の取組みを行ったのだと思います。
ソニーに頑張ってもらいたく、応援メッセージとして記事を書きたいと思います。
また、最後まで読めばご理解いただけると思いますが、モバイル事業撤退が他のソニーのビジネスにも影響を与えかねないので踏ん張ってもらいたいところです。
簡単ですが、SONYのモバイル事業とをまとめたのでご参考頂ければと思います。
目次
生産台数推移
まず初めにソニーのスマホってどのぐらい作っているのでしょうか?
2011年からさかのぼってみましょう。
単 万台 | FY11 | FY12 | FY13 | FY14 | FY15 | FY16 | FY17 | FY18 |
スマホ | 2,250 | 3,300 | 3,910 | 3,910 | 2,490 | 1,460 | 1,350 | 650 |
2012年度には4千万台に近い生産台数が2018年度では六分の一の6.5百万台まで落ちています。
当時はDocomoで必ずNo.1のスマホメーカーでしたがユーザーがアイフォンやSamsungのGallaxyにシェアを取られて後退していきました。
また、スマホのコモディティー化(共通化)が進んでしまい、他社と差別化を図れなくなったんです。
あとはソニー製品って基本他社より高いですよね?ブランド料金で高いのはわかるのですが、最近のandroidスマホでは正直中国製品のほうが進んでいます。
今更Dualカメラ、OLEDディスプレイってやること遅いんですよね。。
ディするわけではなく、保守的な国内メーカーとなんでも作ってみてしまう中国との開きが大きく開発スピードが遅れているのが実態と思います。
売上/営業利益推移
売上 | FY11 | FY12 | FY13 | FY14 | FY15 | FY16 | FY17 | FY18 |
売上 | 777 | 12,576 | 16,301 | 13,233 | 11,275 | 7,591 | 7,237 | 4,900 |
営業利益 | 314 | ▲972 | ▲750 | ▲2,204 | ▲614 | 102 | ▲276 | ▲950 |
上記の数字を見てもらえればわかる通り、実は2012年から赤字なんです。。
当時VAIOからも設計、調達、管理部門が移動し人件費が非常にかさんでいたようです。
2016年はリストラ改革で一時+に好転したように見えますが、復活の出口が見えていないのがわかります。
生産拠点について
生産拠点は北京とソニー自社のThai工場(Chonburi)の2拠点です。
生産台数が1,460万台だった時、7割が北京で作っていました。
2018年では650万台ですからThai工場一本にすると50%のキャパ増産をする必要があります。
ただし、不採算事業にお金を掛けられないと思いますので、2019年はさらに縮小なのではと考えます。
マーケットシェアとSONYモバイルの位置づけ
2017年の世界での生産台数は14億9,300万台です。ソニーは2017年で世界で1%も満たない生産台数だったんです。
スマートフォン市場は、新規需要の飽和と買い替えサイクル長期化で市場が縮小した中国がブレーキとなり、してしまいました。
2018 年以降は、中国市場が回復し、また、新興国での新規需要や先進国、中国での5G 通信スタートによる買い替え需要が喚起されることで、全体としては微増傾向が続く見通しです。
生産メーカー第1位は、ブランドの全量を自社生産するSamsungとなります。
SONY Mobileの目指す領域
ソニーは2017年より付加価値の高いハイエンドモデルを目指すと明言しておりました。
そのため、フラグシップを残し、ミッドレンジモデルは勿論、プレミアム・スタンダードモデルも廃止する方針なんでしょう。
なので、フラグシップの販売先を考えると自然とEuro圏、東アジア(中国・韓国・台湾)と日本に限定されるのだと思います。
またチャンスととらえるのは今後先進国では2019年より4G(LTE)から5Gに切り替わることから、先進国で販売チャンスが見込まれます。
2019年には黒字化を見据えて頑張ってもらいたいところです。
まずいのはモバイルだけでなく、ソニー全体にも影響が出ます
ソニーの半導体購買金額は2015年に7,000億円も購入していました。
日本ではもちろん断トツ1位、WWでもTop20に入る大企業の購入額になります。
そのうち、モバイルの購入額は35%を占めていたのでおおよそ2,450億円購入していたんですね。
2015年は2,490万台作っていたのですが、2018年は650万台です。
仮にスマホ一台作る金額が当時から変わらないと仮定した場合、2015年より▲73%の639億円となります。
金額を考えると変わらず大きいのですが、外資部品メーカーはそうはいきません。
モバイルの購入額が2,450億円から639億円に下がるのに当時と同じ価格を適応することができなくなります。
モバイル事業で考えるとSamsungやHuaweiといった海外メーカーと比較しても部品の購入額が何割も高くなってしまうんです。
またソニー全体で考えてみましょう。
2015年:7,000億円から2018年: 5,189億円となります。
ソニーの購入金額が25%も減少しソニーの魅力が落ちてしまいます。
結果、ソニーに注力しているメーカーがどんどん離れていきます。
5,189億円は立派な数字ですが外資メーカーの内情は非常に厳しいです。
いままで、相手してもらっていたメーカーのレスが悪くなったり、コストが上がったりする可能性を秘めていますので
そうなってしまっては大ダメージです、我々、消費者も今の価格で買えなくなってしまうのですから。。。
今後の見どころ 決算発表
2019.4.26[金] 17:15よりソニーの決算発表があります。
その説明者がなんと、2017年度までモバイル事業のソニーモバイルコミュニケーションズの社長だった十時さん(現在のSONY本社 専務)なんです。
もちろん長くモバイル事業に携わっていた方なので、先々のモバイル事業について熱く語って頂きたいところですが、もしモバイル事業について何もしゃべらないようなら非常にまずい未来となるのではないでしょうか?
今後の見どころ 次機種
XZ3
量販店に良くいく人やDocomo・Softbank・AUなど行かれる方、もしくは相当ソニーファンの方ならご存知と思いますが、XZ3という機種をご存知でしょうか?
この機種はソニーでは久々の新たな技術を取り込んでおります。
まず有機EL(OLED)ディスプレイを初めて採用しています。OLEDディスプレイのため滑らかな曲線を実現し、薄いサイドフレームよりユーザーの使い勝手を良くしています。
次にソニー初のWireless Charge機能を搭載しています。今まで何故ソニーが出してこなかったのかわかりませんが、ようやく対応したようです。
後のカタログスペックは他社と変わり映えしませんので省略します。
Xperia 1
続いてスペインのバルセロナで毎年開催される世界最大のモバイル展示会「MWC2019」でXZ3の後継に当たる「Xperia 1」を展示していました。
ここでも既存にない大きな変化が見られます。
縦長な4K有機ELディスプレイ(3840×1644ドット)を採用し、トリプルレンズカメラを搭載するといった大きなデザインチェンジとなります。
ディスプレイの縦横比は21:9。Galaxy S9やiPhone XSなどで採用されている18:9よりも、一層縦長になっています。
画面サイズは6.5インチと数値上は巨大化していますが、(縦長ディスプレイのため)横幅は72mmに抑えられています。横幅という点では、6インチの前世代モデル「Xperia XZ3」よりもむしろ1mm短くなっています。
縦長のディスプレイを活かす機能として、ソニー独自の2画面ユーザーインターフェイスを採用。動画を観ながらSNSを使うといったことが可能となっています。そのほか、ゲーム向けに動作の最適化や通知オフなどを設定する新機能「ゲームエンハンサー」も完備します。
映像表現ではHDR再生に対応。さらに「HDRリマスター」という新機能も搭載します。これは、一般的な映像コンテンツをHDR相当の画質で再生してくれるもので、テレビのBRAVIAに由来する独自技術によって高画質化を行っているとのこと。加えて、映像制作者の意図した通りの色表現を再現する設定「クリエイターモード」も備えています。オーディオでは「Dolby Atmos」をサポートし、映画などの対応コンテンツをで迫力のある音響で再生可能です。
トリプルカメラで3つの画角を切替
リアカメラには焦点距離の異なる3つのカメラを搭載し、画角を切り替えながら撮影できます。3つのカメラいずれも1200万画素で光学2倍ズームや背景ぼけ撮影、超広角撮影にも対応します。
イメージセンサーでは暗所での高精度なオートフォーカスを実現、さらにスマートフォンとして初めて「瞳AF」に対応しています。画像処理エンジンも改良され、暗所撮影時のノイズが低減されています。
ソニー、頑張ってこの赤字を早く脱却してください!
そして、世の中を驚かせるような製品を出してくれることを期待しています!
以上、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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